アメリカナマズとはどんな魚か 難易度:低


標準和名はチャネルキャットフィッシュ。北アメリカ原産のナマズで、霞ヶ浦周辺では「アメナマ」とも呼ばれます。もともと食用として持ち込まれたものが野外に定着し、いまでは霞ヶ浦の定番ターゲットになっています。
原産地では全長132センチメートルの記録が知られていますが、霞ヶ浦で釣れるサイズは40〜60センチメートル前後が中心です。それでも十分に重く、はじめて掛けた人は必ず驚きます。
日本のナマズとの見分け方
最大の違いは尾びれです。日本のナマズは尾びれが丸く退化していますが、アメリカナマズは深く切れ込んだ二又の尾びれを持っています。この形状が推進力を生むため、掛かったあとの引きがまるで違います。

油断していると竿を持っていかれることもあるため、置き竿にする場合は目を離さないようにしましょう。三脚や竿掛けを使う場合も、必ず固定してください。
ひれのとげに注意
背びれと胸びれの前縁に、鋭いとげがあります。掴む場所を間違えると深く刺さり、抜けにくい構造をしています。釣り上げたら素手で握らず、フィッシュグリップか厚手のタオルを使ってください。
お子さんには素手で触らせないでください。
とげは刺さると抜けにくく、傷口が化膿することもあります。魚を掴む作業と針を外す作業は、必ず大人が行ってください。フィッシュグリップを1つ持っておくと、この魚に限らず安全性が大きく変わります。
持ち帰るときのルール(重要)
アメリカナマズは特定外来生物に指定されています。2005年4月に指定され、同年6月1日から施行されました。この指定により、飼育、栽培、保管、運搬、放出などが原則として禁止されています。
生きたまま持ち帰ることはできません。
持ち帰る場合は、その場で締めてから運んでください。生きたままクーラーボックスやバケツに入れて移動させると、法律上の「運搬」にあたります。
その場で放すのは問題ありません
釣った場所ですぐに水へ戻す、いわゆるキャッチアンドリリースは規制の対象外です。持ち帰らないのであれば、そのまま逃がして構いません。
ただし、堤防に放置するのは違法です
釣り上げたアメリカナマズを堤防に置いていく行為を見かけることがありますが、これは廃棄物の処理及び清掃に関する法律に触れます。茨城県も、堤防等への放置・廃棄は禁止されていると明示しています。
選択肢は2つだけです。その場で放すか、締めて持ち帰るか。置いていくという選択肢はありません。
外来生物法の規定は改正されることがあります。最新の内容は環境省「何が禁止されているの?」および茨城県「釣りに関するよくあるQ&A」でご確認ください。
生態と行動パターン
釣り方を覚える前に、この魚が何を基準に動いているかを知っておくと、釣れない日の原因がわかるようになります。
水温で居場所が変わる
北アメリカ原産のため冬の低水温にも耐えますが、活性は水温に強く左右されます。おおまかな目安は次のとおりです。
- 10℃を下回る:深場に落ち、動きが鈍くなる
- 10℃を超える:徐々に浅場へ移動しはじめる
- 24℃前後:産卵期に入る
「今日は釣れなかった」の多くは、腕ではなく水温と場所の問題です。水温計を1つ持っておくと、判断の精度が上がります。
産卵期は5〜7月
水温が24℃前後になると産卵期に入り、成熟した個体は浅場に集まります。この時期、オスは巣にこもるため、釣れるのはメスが中心になります。産卵が終わる8月頃には一時的に食いが落ち、9〜10月にかけて回復します。
何を食べているか
霞ヶ浦では甲殻類やハゼ類を主に捕食しています。底層にいる生き物を食べる魚だということです。これが、仕掛けを底に置く「ぶっこみ釣り」が有効な理由になります。
また、視覚よりも嗅覚に強く依存しています。濁った水の中でも匂いで餌を探し当てるため、水が濁った日でも釣果が落ちにくいのが特徴です。むしろ雨後の増水時に活性が上がることがあります。
釣り方とエサ
ルアーでも釣れますが、餌釣りのほうが手軽で数釣りも見込めます。はじめてのお子さんと行くなら、迷わず餌釣りを選んでください。
効くエサ
練り餌・生餌が有効で、植物系の練り餌よりも動物系の練り餌のほうが釣果が出やすい傾向があります。
匂いが強いものを好むため、塩辛の使用を推奨する方もいますが、実際に圧倒的な効果があるのは次のものです。季節を問わず結果が出ています。
- 焼肉のたれ(ニンニク系)
- ナンプラー(魚醤)
- すりおろしニンニク
- アメリカナマズ専用の練りエサ
- 臭い付きワーム
嗅覚に頼る魚なので、「人間が嗅いで強烈だと感じるもの」がそのまま武器になります。市販の練りエサに、上記を少量足して使うのも有効です。
仕掛けの組み方
有効なのは次の2種類です。
- ぶっこみ仕掛け
- 亀形おもりを使い、餌を底に置いて待つ釣り方。仕掛けが単純で、遠くへ投げる必要もほとんどありません。子どもと行くならこちらです。
- 吸い込み仕掛け
- 鯉釣りで使う仕掛けをそのまま流用できます。練り餌を団子状にまとめて使うため餌持ちがよく、置き竿に向きます。
また、赤い色を好む傾向があります。仕掛けに赤やオレンジのビーズを付け、針を赤針にするだけで反応が変わることがあります。安価な工夫なので試す価値があります。
メーカーや釣具店からアメリカナマズ専用の仕掛けやエサも販売されているので、最初はそれを使うのが確実です。
アワセは強めに
唇が分厚いため、軽く合わせても針が貫通しません。アタリがあったらフッキングは強めに行い、確実に掛けてください。
逆に、アタリが出た瞬間に合わせると、餌をくわえただけの状態で抜けることがあります。竿先が押さえ込まれ、明確に引き込まれてから合わせると成功率が上がります。
季節別の狙い方
春(3〜5月)
水温が10℃を超えると浅場へ移動しはじめます。日中に水が温まりやすい場所、風の当たらない岸際が狙い目です。5月に入ると産卵期が近づき、荒食いする個体が出はじめます。1年でもっとも狙いやすい時期のひとつです。
夏(6〜8月)
6〜7月は産卵期の最中で、浅場に集まります。ただし巣にこもるオスは釣れにくく、掛かるのはメス中心です。8月に産卵が終わると一時的に食いが落ち、掛かるのも小型が中心になります。
子どもと行くなら、この時期は朝まずめの数時間だけに絞ってください。日中の炎天下で待ち続ける釣りは、熱中症のリスクが高すぎます。
秋(9〜11月)
食いが戻り、サイズも数も期待できる好季です。特に雨のあと、やや増水して水に動きがあるときに反応が良くなります。濁りは不利になりません。
群れで回遊していることも多く、釣れる時間帯と釣れない時間帯が交互に来ます。アタリが止まっても30分は粘ってみてください。
冬(12〜2月)
深場に落ち、動きが鈍くなります。釣れないわけではありませんが、初心者が結果を出しにくい時期です。子どもと行くなら、無理にこの季節を選ぶ必要はありません。
それでも狙うなら、水深のある場所で、餌を動かさずじっくり待つのが基本になります。
おすすめタックル
40〜60センチメートル級が主体で、しかもよく引く魚です。バス用のライトなタックルでは力負けします。以下が目安になります。
ベイトタックル
- ロッド
- 5.10〜7フィート M〜MHクラス
- リール
- 150〜200番クラスのHG、XG
- ライン
- ナイロン16〜20ポンド
シマノ(SHIMANO) スコーピオンXV 1652R2(ベイト・2ピース) 302939
シマノ ベイトリール 17 バスワンXT RIGHT 2017年モデル (右巻)
シマノ ベイトリール 17 バスワンXT LEFT 2017年モデル (左巻)
スピニングタックル
- ロッド
- 6.5〜7フィート Mクラス
- リール
- 3000番クラスのHG、XG
- ライン
- PE1.5〜2号+ナイロンリーダー16〜20ポンド、またはナイロン16〜20ポンド
はじめての1本ならスピニングをおすすめします。ベイトリールはバックラッシュ(糸が絡むトラブル)が起きやすく、子どもの前で糸を解いている時間がもったいないためです。
釣ったあとの扱い方
持ち帰らない場合
針を外して、その場で水に戻します。とげに注意しながらフィッシュグリップで保持し、針を外してください。飲み込まれている場合は、無理に引き抜かずハリスを切ります。
持ち帰る場合
生きたまま運べないため、その場で締める必要があります。エラの付け根に刃を入れて血を抜き、氷を入れたクーラーボックスに収めてください。
この工程を現地で行う前提になるので、持ち帰る予定があるなら次の道具が必要です。
- クーラーボックス(40〜60センチメートルの魚が入るサイズ)
- 氷または保冷剤
- ナイフ
- フィッシュグリップ
- 汚れてよいタオル
装備がないなら、その日は持ち帰らずリリースするほうが賢明です。中途半端に持ち帰ろうとするのが、いちばん危険で、いちばん法律に触れやすいパターンです。
食味について
白身であっさりしており、揚げ物やムニエルに向きます。ただし鮮度が落ちると急速に味が悪くなる魚なので、締めてから冷やすまでの時間が短いほど良い結果になります。
皮に強い臭みが出ることがあるため、調理前に皮を剥ぐのが一般的です。
よくある失敗と対処
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竿を持っていかれる。
置き竿にしたまま目を離すのが原因です。引きが想像以上に強いため、三脚や竿掛けに固定していないと水中へ引き込まれます。ドラグを少し緩めておくのも有効です。
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とげで手を切る。
素手で握ろうとして起きます。暴れる魚を押さえ込もうとすると、ほぼ確実に刺さります。フィッシュグリップを使ってください。数百円の道具で防げます。
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アワセが弱く、途中でバレる。
唇が分厚いため、軽い合わせでは針が貫通しません。竿先が明確に引き込まれるまで待ち、そこから強く合わせてください。
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釣れたが持ち帰れない。
クーラーボックスや氷を用意していないと、生きたまま運ぶことも、鮮度を保つこともできません。持ち帰る予定があるなら、出発前に装備を確認してください。
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エサの匂いが車に残る。
ナンプラーや動物系の練り餌は強烈です。密閉できる容器に入れ、帰りは荷室に置いてください。これを軽視すると、次から家族に同行してもらえなくなります。
主に釣れる場所
底が硬く、水に流れがある場所が有利です。水門周りや流入河川の合流部は定番のポイントになります。
遊漁券の要否が場所によって違います。
霞ヶ浦は海区扱いのため遊漁券は不要ですが、桜川は内水面で漁業権が設定されているため遊漁券が必要です。同じ水系でも扱いが分かれるので、竿を出す前に確認してください。