アジとはどんな魚か 難易度:低

群れで行動するため、回遊のタイミングが合えば数釣りが楽しめる、ファミリーフィッシング向けの代表魚です。堤防から手軽に狙え、引きも楽しめます。
体の側面に「ゼイゴ」と呼ばれる硬いうろこの列があるのが特徴で、これがアジ科の魚を見分ける目印になります。調理のときはここを削ぎ落とします。
子どもと行くならこの魚を選ぶ理由
- 遠投が不要——堤防の足元に落とすだけ
- 連続で掛かる——群れが回れば、1本の仕掛けに複数匹つくこともある
- 仕掛けが完成品——サビキ仕掛けは袋から出してそのまま使える
- 食べておいしい——刺身、なめろう、南蛮漬け、開いて干物まで
ただし、ほかの魚と決定的に違う点が1つあります。群れが回っていなければ、何をしても釣れません。次の項で、その前提を説明します。
群れで動く魚だということ
アジ釣りの成否は、腕でも道具でもなく「そのとき群れが来ているか」で決まります。これがほかの釣りと最も違う点です。
回遊するので、いない時間帯がある
アジは沿岸を回遊する魚です。同じ堤防でも、群れが接岸している時間帯と、まったくいない時間帯があります。2時間釣れなくても、次の10分で入れ食いになることがあります。
逆に、群れが去れば急に何も掛からなくなります。「さっきまで釣れていたのに」は、腕が落ちたのではなく群れが移動しただけです。
朝と夕方が有利
釣果が期待できるのは、基本的に朝夕のまずめ時です。日の出前後の2時間ほどと、日没前後の2時間ほど。この時間帯に岸際を群れで回遊する傾向があります。
子どもと行くなら、朝の部を選んでください。夕方の部は、帰る頃に暗くなり、水際での移動が危険になります。
寄せ餌で足止めする
サビキ釣りで寄せ餌を使うのは、通りかかった群れをその場に留めるためです。撒き続けている間は群れが散りにくくなります。アタリが出はじめたら、餌を切らさないでください。ここで手を止めると、群れが移動します。
3種類のサビキの使い分け
定番は「サビキ釣り」です。擬似餌の付いた仕掛けに寄せ餌を組み合わせ、群れが回ってきたタイミングで数を伸ばします。サビキにはいくつかの種類があり、状況で使い分けます。
通常のサビキ(下カゴ・上カゴ式)
仕掛けの下または上に寄せ餌を入れるカゴを付ける、最も基本的な形です。堤防釣りの入門に向いています。
下カゴ式は、カゴが底に着いてから上へ誘うため、餌が下から上へ広がります。上カゴ式は、餌が上から下へ落ちるため、仕掛けの中を通ります。迷ったら下カゴ式を選んでください。扱いが単純で、子どもでも操作できます。
トリックサビキ
針に直接餌を付けて落とすタイプで、アミエビが自然に付くため食いが良い一方、餌付け用の器具が必要です。
通常のサビキで反応が渋いとき、これに替えるだけで急に釣れ出すことがあります。ただし針1本ずつに餌を付ける手間があるため、群れが濃いときはかえって手返しが落ちます。
投げサビキ(ウキサビキ)
ウキを付けて沖の少し深い場所へ投げる方法で、足元に群れが寄らないときに有効です。
足元で反応がないとき、選択肢は「移動する」か「沖を探る」かの2つです。堤防が混んでいて移動できない場合、この釣り方が効きます。
寄せ餌(アミエビ)の選び方
寄せ餌には主にアミエビを使います。冷凍ブロック、常温保存できるチューブタイプ、配合餌などがあり、扱いやすさで選びます。
- 冷凍ブロック
- もっとも安く、集魚力も高い。ただし解凍が必要で、汁が出て手も道具も汚れる。
- チューブタイプ
- 常温保存でき、手を汚さずカゴに絞り出せる。値段は高めだが、子ども連れなら迷わずこちら。
- 配合餌
- アミエビに混ぜて使う粉末。餌の持ちが良くなり、まとまりも出る。慣れてきたら。
虫が苦手な方やお子さんには、手が汚れにくいチューブタイプが始めやすい選択肢です。
アミエビの匂いは想像以上に残ります。
服に付くと洗っても取れにくく、車内に置けば数日は匂います。汚れてよい服装で行き、手を拭くタオルとウェットティッシュを必ず持ってください。この準備を怠ると、次から家族に同行してもらえなくなります。
撒いた餌は流す
堤防にこぼれたアミエビは、帰るときにバケツで水をかけて流してください。放置すると乾いて悪臭になり、次に来る人が使えなくなります。これは釣り場が閉鎖される典型的な原因です。
時間帯と季節
時間帯
優先度は明確です。朝まずめ(日の出前後2時間)>夕まずめ(日没前後2時間)>日中の順になります。
日中でも群れが回れば釣れますが、確率は落ちます。子どもの集中が続く時間は限られているので、もっとも確率の高い時間帯に合わせて家を出てください。
季節
一般に春から秋にかけてが本番で、水温が下がる冬は沖の深場へ落ちて岸から遠のきます。
ただし接岸の時期は年によって、また海域によって大きく変わります。「去年の同じ時期に釣れたから今年も」とは限りません。釣行前に、釣具店や釣果情報でその時点の状況を確認するのが確実です。
春(4〜5月)
水温の上昇とともに回遊が始まります。数はまだ安定しませんが、産卵前の良型が混じるのがこの時期の特徴です。まだ水温が低く回遊の有無にムラがあるため、釣果情報を確認してから出かけてください。
夏(6〜8月)
回遊が安定し、数が伸びはじめます。ただしサイズは小型が中心になりがちです。子どもと行くなら、暑さ対策を最優先に。朝の数時間だけに絞り、日陰と飲み物を必ず用意してください。
秋(9〜11月)
1年でもっとも良い時期です。夏に育った個体が大きくなり、数もサイズも期待できます。気候も穏やかで、子どもと長く釣りができます。アジ釣りに行くなら、迷わずこの季節を選んでください。
冬(12〜3月)
水温が下がると沖の深場へ落ち、岸からは遠のきます。まったく釣れないわけではありませんが、遠投サビキなど技術の要る釣りになります。子どもと岸から狙う釣りとしては向きません。
上記は一般的な傾向です。回遊の時期は年によって、また釣り場によって大きく変わります。釣行前に釣具店や釣果情報でその時点の状況を確認してください。
おすすめタックル
スピニングタックル
- ロッド
- 8〜9フィート Mクラス
- リール
- 3000番クラスのHG、XG
- ライン
- ナイロン12〜16ポンド
サビキ仕掛けは全長1〜2メートルあるため、竿が短すぎると扱いにくくなります。8フィート以上あると、仕掛けの上げ下ろしが楽です。
あわせて必要なもの
- 水汲みバケツ——手を洗う、こぼれた餌を流す、魚を一時的に入れる。必須です
- クーラーボックスと氷——アジは鮮度が落ちやすい
- サビキ仕掛けの予備——絡むと戻せません。2〜3枚は持つ
- タオル・ウェットティッシュ——アミエビ対策
釣ったあとの扱い方
アジは鮮度の落ちがとても早い魚です。釣れたらすぐ、氷を入れたクーラーボックスに入れてください。バケツに泳がせたまま何時間も置くと、身が傷んで味が落ちます。
数が釣れたときの下処理
10匹、20匹と釣れることがあります。全部持ち帰るなら、帰宅後の処理まで含めて計画してください。処理しきれない量を持ち帰って冷凍庫で放置するのが、いちばんもったいない結末です。
小型は南蛮漬け、中型以上は刺身や塩焼きが定番です。子どもと一緒にゼイゴを取るところからやると、釣りが食卓につながります。
持ち帰らない分はどうするか
食べきれない分は、その場でリリースしてください。堤防に放置するのは廃棄物処理法に触れます。釣った魚を置いていくという選択肢はありません。
よくある失敗と対処
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アミエビを買い忘れる。
仕掛けだけあっても釣れません。釣り場では買えないことが多いので、途中の釣具店で必ず調達してください。「行けば売っている」は通用しません。
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日中に行って、まったく釣れない。
群れが回っていない時間帯に来ているだけです。朝まずめに合わせて出発すれば、同じ場所でも結果が変わります。
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アタリが出たのに餌を切らす。
群れを足止めしている最中に餌が切れると、群れが移動します。釣れている間こそ、カゴに餌を詰め続けてください。
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仕掛けが絡んで終わる。
サビキ仕掛けは針が多く、一度絡むとほぼ戻せません。予備を2〜3枚持っていけば、そこで釣りが終わらずに済みます。
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クーラーボックスがなく、持ち帰れない。
アジは鮮度が命です。氷なしで持ち帰ると、せっかくの数釣りが台無しになります。
主に釣れる場所
このほか、大洗周辺の堤防でも狙えます。
子どもと行くなら鹿島港魚釣園が第一候補です。転落防止柵があり、トイレと売店もあり、道具のレンタルまであります。ライフジャケットの着用が義務づけられている点も、安全設計として信頼できます。
那珂湊は駐車しやすく、隣接するおさかな市場と組み合わせて1日の予定を組めるのが利点です。ただしテトラ帯には絶対に立ち入らないでください。