淡水シーバスとはどんな魚か 難易度:中

胴長の体に鋭い背びれを持つ魚です。バスを狙っているときに釣れることもあります。引きが強く、霞ヶ浦でも人気のターゲットです。
標準和名はスズキ。海で釣れるものと同じ魚ですが、淡水域に入った個体を釣り人は「淡水シーバス」「河川スズキ」などと呼び分けています。
海のシーバスとの違い
同じ魚でありながら、淡水域では釣り方の前提が変わります。
- 潮の影響が小さい——上流ほど潮汐の効きが弱まり、水位や流れが読みやすくなる
- エサが違う——海のイワシではなく、テナガエビや淡水エビ、小型の淡水魚を食べている
- 足場が良い——湖岸や河川敷は堤防より歩きやすい区間が多い
海側の釣り方についてはシーバス(海水域)のページをご覧ください。
なぜ淡水域にスズキがいるのか
スズキは塩分濃度の変化に耐えられる魚です。海から河口、汽水域、さらに上流の淡水域まで移動できます。エサを追って川を遡り、そのまま居着く個体が出ます。
霞ヶ浦・北浦は、常陸利根川を通じて海とつながっています。この経路を通って入ってきたスズキが、豊富なエサのある水域に留まる。これが淡水シーバスの正体です。
だから、水門と流入部が効く
魚が移動してくる以上、その通り道が最大のポイントになります。
- 水門周り——水の出入りがあり、エサも魚も集まる
- 流入河川の合流部——水質と流れが変わる境目
- 橋脚や護岸のえぐれ——流れの中で休める場所
広い湖面に闇雲に投げるのではなく、「魚が通る場所」と「魚が休む場所」を探す。これが淡水シーバスの基本の考え方です。
雨が効く
雨で増水すると、流れが強くなり、エサが流されます。これに反応して活性が上がることがあります。濁りが入っても不利にはなりません。雨のあとは狙い目です。
ただし急激な増水時は水位の上昇が早く危険なので、無理はしないでください。
エラぶたに注意(重要)
エラぶたが刃物のように鋭い魚です。
持つ際はフィッシュグリップで下あごをつかんでください。素手で胴を握ろうとすると、エラぶたで手を深く切ります。お子さんには絶対に触らせないでください。
背びれのとげも鋭く、暴れると危険です。ランディング後は速やかにフィッシュグリップで固定し、針を外す作業は大人が行ってください。
釣り方とルアーの使い分け
ミノーやバイブレーションなどのルアーを使った釣りが定番です。この2つで役割が分かれます。
- バイブレーション(10〜30グラム)
- よく飛び、速く沈む。広い範囲を手早く探るのに向く。まずこれで「魚がいるか」を調べる。
- ミノー
- 浅い層をゆっくり引ける。バイブレーションで反応がないとき、あるいは水深が浅い場所で使う。
- スピンテール(10〜14グラム)
- 北利根川・北浦など、流れのある場所で有効。回転するブレードで水を強く動かす。
探す順序
- バイブレーションを扇状に投げ、広く探る
- 反応があった層と距離を覚える
- そこをミノーで丁寧に通す
- 反応がなければ移動する
1か所で粘るより、移動しながら探す釣りです。回遊してくる魚なので、いない場所で待っても確率は上がりません。
時間帯
朝まずめと夕まずめが有利です。日中でも水門周りなど流れのある場所では釣れますが、確率は落ちます。
エサ釣りという選択肢
ルアーだけの魚ではありません。餌釣りの場合は、ぶっこみ仕掛けやウキ仕掛けにイソメを使います。
エビが効く理由
カスミ水系、利根水系では手長エビやその他淡水エビをエサにしているため、エビ類を使用するのもおすすめです。
これは「よく釣れるエサ」として紹介されているのではなく、その水域でシーバスが実際に食べているものだから効きます。海のシーバス釣りでイワシに似たルアーを使うのと、理屈は同じです。
子どもと行くなら餌釣り
ルアーを投げ続ける釣りは、子どもには単調です。ぶっこみ仕掛けで待ちながら、大人がルアーを投げる。この二段構えなら、どちらかに反応が出ます。
ただしシーバスは危険な魚なので、掛かったら子どもに触らせず、大人が対応してください。
どこに投げるか
淡水シーバスは「どこにでもいる」魚ではありません。次の条件が重なる場所を探してください。
- 流れがある
- 水門、樋管、流入河川の合流部。止水域より圧倒的に確率が高い。
- 明暗がある
- 橋の下、常夜灯の光が届く縁。暗い側から明るい側を狙う。
- 地形が変化している
- 護岸のえぐれ、水深が変わる境目、杭やテトラの周り。
逆に、何もない直線的な護岸を延々と探るのは効率が悪いと考えてください。
水門やポンプ場の周辺は立入制限がある場合があります。柵や表示に従ってください。管理施設の敷地内に入ることのないよう注意が必要です。
水系別のおすすめタックル
同じ淡水シーバスでも、水系によって必要な強さが変わります。川幅と流れの強さが違うためです。
利根川シーバス(スピニングタックル)
バイブレーション(10g〜30g)・ミノー向け。
- ロッド
- 7フィート ML〜Mクラス
- リール
- 3000番クラスのHG、XG
- ライン
- PE1.5〜2号+ナイロンリーダー25〜35ポンド
流れが強く、大型も出る水系です。ラインとリーダーを太くしています。細くすると流れの中で主導権を取れません。
北利根川・北浦シーバス(スピニングタックル)
バイブレーション(10g〜30g)・スピンテール(10g〜14g)・ミノー向け。
- ロッド
- 6.5〜7フィート ML〜Mクラス
- リール
- 3000番クラスのHG、XG
- ライン
- PE1〜1.5号+ナイロンリーダー14〜20ポンド
こちらは利根川本流より一段軽い構成です。1本で兼用するなら、こちらを基準にしてください。
あわせて必要なもの
- フィッシュグリップ——エラぶたが鋭いため必須
- ランディングネット——大型は抜き上げられません
- ヘッドライト——まずめを狙うなら必須
- プライヤー——フックを外す。素手より安全
よくある失敗と対処
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エラぶたで手を切る。
素手で胴を握ろうとするのが原因です。刃物のように鋭く、深く切れます。必ずフィッシュグリップで下あごをつかんでください。
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流れのない場所を探り続ける。
回遊してくる魚なので、通り道でないと出会えません。水門、流入部、橋脚。流れと変化のある場所を優先してください。
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ラインを細くして、流れに負ける。
利根川本流のような流れの強い水系で細いラインを使うと、掛けても寄せられません。水系に合わせた強さを選んでください。
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1か所で粘りすぎる。
回遊魚に近い性質があります。反応がなければ移動する。歩ける範囲を広く探るほうが結果が出ます。
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ランディングネットがなく、最後でバラす。
大型を抜き上げようとすると、口が切れるかラインが切れます。掛けたあとが本番です。
主に釣れる場所
このほか、利根川および周辺の流入河川で狙えます。
潮来水郷エリアは北利根川・前川・外浪逆浦・北浦に分かれ、水路が網の目状に走っています。水門や合流部が密集しているため、淡水シーバスを探すには効率の良いフィールドです。駅近くに老舗の釣具店があり、その日の状況を聞いてから入れます。
水域によって遊漁券の要否が異なります。
霞ヶ浦・北浦・北利根川・外浪逆浦は海区扱いのため遊漁券は不要ですが、桜川などの流入河川は内水面で漁業権が設定されています。竿を出す前に確認してください。