ダントウボウの釣り方

釣れたのに、名前がわからない魚。

ヘラブナだと思って写真を撮り、帰ってから違和感に気づく。そういう魚です。狙って釣る人はほとんどおらず、情報も少ない。だからこそ、見分け方から釣り方まで、ここに残しておきます。

ダントウボウとはどんな魚か 難易度:高

ダントウボウのイラスト

見た目はヘラブナに似ていますが、れっきとした外来魚です。中国原産のコイ科の魚で、日本には移入されたものが定着しています。

アメリカナマズやコイ、フナなどを狙っているときにも、まれにかかることがあります。狙って釣るというより、釣れてしまう魚というのが実情です。

なぜこのページを作ったか

ダントウボウを解説している釣りサイトはほとんどありません。検索しても、まとまった情報が出てきません。

ですが、霞ヶ浦や桜川で釣りをしていれば掛かる魚です。「これは何という魚か」という疑問に答えるページが、どこにも存在しない。だからここに置いています。

ヘラブナとの見分け方

釣り上げた瞬間、ほとんどの人がヘラブナだと思います。体高があり、銀色で、体型がよく似ているためです。

ダントウボウとヘラブナの体型を比較した図
ダントウボウとヘラブナの比較
釣り上げたダントウボウの写真

上の比較図を見ながら、実物と照らし合わせてください。体型の輪郭、頭部の形、ひれの位置に違いが出ます。

まず写真を撮る

判別に迷ったら、その場で全身が写る写真を撮ってください。横から、体全体が入るように1枚。あとから比較図と見比べれば判断できます。

釣った瞬間は興奮していて、細部を見ていません。記録さえ残しておけば、帰ってから確認できます。

掛かる状況からも絞り込める

ダントウボウはヘラブナ釣りの外道として掛かることが多い魚です。両者は生態の面でも似ているとされ、同じような場所、同じような釣り方で口を使います。

つまり、ヘラブナ狙いの仕掛けに掛かった「ヘラブナに似た魚」は、ダントウボウである可能性が十分にあります。いつもと違う感じがしたら、その場で写真を撮ってください。

なぜ霞ヶ浦にいるのか

この魚がどうやって霞ヶ浦に定着したのかは、実ははっきり分かっていません。

1978年に研究用として稚魚が茨城県に持ち込まれた記録はありますが、霞ヶ浦への放流記録は残っていません。観賞魚として飼われていた個体が放されたのではないか、という見方もありますが、確定していないのが現状です。

すでに霞ヶ浦で繁殖している

霞ヶ浦の江戸崎入り奥部では、2009年から2017年にかけて複数の個体が採集されています。このうち2016年から2017年に採れた個体の体長からは、2年連続で再生産されていることが示唆されました。

たまたま流れ着いた個体がいるのではなく、霞ヶ浦の中で世代交代しているということです。

いま増えている最中の魚

2016年頃から「見たことのない魚が釣れた」という報告が増えはじめ、2018年頃には珍しい情報でもなくなりました。近年は50センチメートル級も見られるようになっています。

定着や増殖が比較的最近のため、まだ分かっていないことが多い魚です。在来生物や生態系への影響が懸念されています。

釣った個体を別の水域へ移すことは、法律で規制されていなくても絶対にしないでください。影響がまだ評価されていない魚を、自分の手で分布拡大させることになります。

持ち帰るときの扱い

ダントウボウは、アメリカナマズブラックバスと違い、特定外来生物には指定されていません。そのため、生きたまま運搬することが法律で禁止されているわけではありません。

ただし、外来種であることに変わりはありません。

ほかの水域へ放すことは絶対にしないでください。外来種対策の三原則は「入れない・捨てない・広げない」です。釣った場所以外に移動させない。これが原則です。

持ち帰らないのであれば、釣った場所でそのまま放してください。堤防に放置するのは、魚種を問わず廃棄物処理法に触れます。

法令上の扱いは改正されることがあります。最新の内容は環境省「何が禁止されているの?」および茨城県「釣りに関するよくあるQ&A」でご確認ください。

釣り方

針は小さめを選ぶ

針のサイズが大きいとかかりにくくなるため、小さめの針を選びましょう。

体は大きくても口が小さい魚です。コイアメリカナマズ用の大きな針をそのまま使うと、餌をつつかれるだけで終わります。「アタリはあるのに掛からない」なら、まず針を小さくしてください。

エサは植物系の練り餌

エサは、練り餌で釣れます。雑食ですが、水草やプランクトンを主食としているため、植物系のねりエサが良く釣れる傾向があります。

同じ場所でアメリカナマズを狙うときは動物系の練り餌を使いますが、ダントウボウはその逆です。狙う魚によって練り餌の系統を変える——ここが分かれ目になります。

ルアーでも釣れる

他にも、ルアーによる釣りも楽しめ、主にスプーン、フェザー系のルアーにかかる傾向があります。

プランクトン食の魚がスプーンに反応するのは意外に思えますが、小さく光るものへの反応があるようです。管理釣り場用のスプーンがそのまま流用できます。

アワセは軽くてよい

掛かった際は、フッキングはあまり強めに行わなくてもかかるので、竿を軽くあげても確実に掛かります。

アメリカナマズのように強く合わせる必要はありません。むしろ強く煽ると、小さな針が口切れを起こします。魚種によってアワセの強さを変えるという点も、この魚を釣るうえでの要点です。

おすすめタックル

ダントウボウ専用のタックルを組む必要はありません。アメリカナマズコイを狙う装備で、針だけ小さくすれば対応できます。

ベイトタックル

ロッド
5.10〜7フィート M〜MHクラス
リール
150〜200番クラスのHGXG
ライン
ナイロン16〜20ポンド

スピニングタックル

ロッド
6.5〜7フィート Mクラス
リール
3000番クラスのHGXG
ライン
ナイロン16〜20ポンド

食味について

中国では養殖もされる主要な食用魚で、味の良い魚として知られています。原産地には「清蒸武昌魚」という蒸し料理があり、伝統的な料理に使われてきました。

コイ科の魚ですが泥臭さが出にくく、塩焼きでも十分においしいという報告があります。日本では食用としてほとんど流通していないため、釣った人だけが食べられる魚ということになります。

持ち帰るなら

その場で締めて、氷を入れたクーラーボックスに入れてください。コイ科の魚は鮮度が落ちると臭みが出やすくなります。

小骨は多めなので、蒸すか揚げるか、しっかり火を通す調理法が向きます。

よくある失敗と対処

主に釣れる場所

狙って釣る魚ではないため、アメリカナマズコイを狙っている最中に掛かることがほとんどです。「今日はダントウボウを狙う」という釣行を組むより、ほかの魚を狙いながら、掛かったら判別するという向き合い方が現実的です。

遊漁券の要否が場所によって違います。

霞ヶ浦は海区扱いのため遊漁券は不要ですが、桜川は内水面で漁業権が設定されているため遊漁券が必要です。同じ水系でも扱いが分かれるので、竿を出す前に確認してください。

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