キスとはどんな魚か 難易度:低

正式にはシロギス。砂浜から仕掛けを投げて狙う「投げ釣り」の定番魚で、初心者やファミリーフィッシングにも向いています。淡白で食味が良いことでも人気です。
細長い体に、上品な光沢。「砂浜の女王」と呼ばれることもある魚です。引きは強くありませんが、小気味よい振動が竿先に伝わります。
子どもと行くならこの魚を選ぶ理由
- 足場が平ら——砂浜なので、転落の危険がほぼない
- とげも歯もない——素手で扱える数少ない海の魚
- 投げる練習になる——広い砂浜なら、多少ずれても問題ない
- 食べておいしい——天ぷらにすれば、家族全員が食べられる
生態と居場所の考え方
砂の中の生き物を食べる
砂泥底に生息し、砂に潜むゴカイ類や小型の甲殻類を食べています。仕掛けを底に着けて、砂の上を這わせるのが基本になるのは、この食性のためです。
イソメが定番の餌になっているのも、キスが日常的に食べているものそのものだからです。
群れで移動する
キスは群れでいます。1匹釣れたら、同じ場所に投げ直してください。近くにまだいる可能性が高い。
逆に、10投して1回もアタリがなければ、その範囲には群れがいません。場所を変えるか、投げる距離を変えてください。
夏に浅場へ寄る
水温が上がると浅場に寄り、砂浜から届く範囲に入ってきます。逆に水温が下がる時期は深場へ落ちるため、岸からは狙いにくくなります。キスが夏の魚とされるのは、この季節移動によるものです。
釣り方(引き釣り)
天秤オモリにキス用の仕掛けを付け、砂浜から遠投して狙う「投げ釣り」が基本です。イソメなどの虫餌を使います。仕掛けをゆっくり引いてくることで、砂の中の魚にアピールします。
手順
- 仕掛けを投げる(遠投できなくても構いません)
- オモリが着底するまで待つ。糸が緩んだら着底の合図
- 糸ふけを取り、リールをゆっくり巻く
- 数回巻いたら止め、数秒待つ
- これを繰り返しながら、手前まで引いてくる
「止める」が効く
初心者はひたすら巻き続けがちですが、止めている間にアタリが出ることが多い魚です。巻いて砂煙を立て、止めて食わせる。このリズムを覚えると釣果が変わります。
アタリは向こうアワセでよい
竿先に「ブルブルッ」と明確な振動が出ます。強く合わせる必要はありません。そのまま巻き続ければ勝手に掛かります。子どもが慌てて竿を大きく煽ると、かえってバレます。
「アタリがあっても、そのまま巻いて」と最初に伝えておいてください。
エサの付け方
イソメ(アオイソメ・ジャリメ)を使います。ジャリメのほうが細く、キスの口に合いやすいとされます。
2〜3センチメートルに切る
キスは口が小さいため、長いまま付けると餌だけ取られます。2〜3センチメートルに切り、針先を出して付けてください。「アタリはあるのに掛からない」の大半は、餌が長すぎることが原因です。
タラシは短く
針から餌がはみ出す部分(タラシ)を長くすると、そこだけかじられます。針の長さより少し出る程度で十分です。
子どもが虫を触れない場合
無理をさせないでください。次の選択肢があります。
- 親が付ける——最も現実的。子どもは投げて巻くことに集中できる
- ピンセットを使う——直接触らずに扱える
- 人工エサを使う——匂い付きの疑似餌。食いは落ちるが釣れないわけではない
虫が触れるかどうかは、釣りの上手さとは何の関係もありません。
砂浜での場所の選び方
砂浜は一見どこも同じに見えますが、キスがいる場所といない場所ははっきり分かれます。目印は水の色と波の形です。
- 払い出し(離岸流)
- 沖へ向かう流れができている場所。周囲より波が立ちにくく、色が濃く見える。エサが集まるためキスも集まる。
- 波打ち際のえぐれ
- 砂が削られて一段深くなっている場所。手前でも十分に狙える。
- 色の変わり目
- 浅い場所と深い場所の境目。ここを狙って投げると反応が出やすい。
ただし、離岸流には絶対に入らないでください。
沖へ向かう強い流れです。魚が集まる場所であると同時に、水難事故の主要な原因でもあります。釣るための目印として使うだけで、その中に立ち込むことはしないでください。子どもを水に入れる場合は、必ず離れた場所にしてください。
遠投しなくても釣れる
投げ釣り=遠投というイメージがありますが、夏場は波打ち際のごく近くにも寄っています。子どもが20メートルしか投げられなくても、十分に釣りは成立します。飛距離を競わせないでください。
季節と時間帯
夏が本番
キスは基本的に夏の魚です。水温が上がって浅場に寄る時期に、砂浜から狙えるようになります。逆に厳冬期から初春にかけては深場に落ちるため、岸から狙ってもボウズになる確率が高くなります。
季節の細かな時期は海域によって差があるため、釣行前に釣具店や釣果情報で確認するのが確実です。
時間帯
日中でも釣れますが、朝夕のほうが有利です。ただし夏の砂浜は日陰がなく、日中の釣行は熱中症の危険が高いのが実情です。
子どもと行くなら朝の数時間に絞ってください。7時から10時までで切り上げる、くらいの計画が現実的です。
春(3〜5月)
まだ深場にいる時期で、岸からは狙いにくいのが実情です。この季節にキスを本命にすると、ボウズで終わる確率が高くなります。
夏(6〜8月)
本番です。浅場に寄り、砂浜から届く範囲に入ってきます。数も期待でき、遠投しなくても釣れます。キス釣りに行くなら、迷わずこの季節を選んでください。
ただし海水浴シーズンと重なります。遊泳区域では釣りができないため、場所と時間をずらす必要があります。
秋(9〜11月)
水温が下がるまでは釣れ続けます。海水浴客がいなくなるぶん、場所を選びやすくなるのが利点です。混雑を避けたいなら、9月以降が狙い目になります。
冬(12〜2月)
深場へ落ちるため、岸からはほぼ狙えません。この時期はメバルなど、冬に強い魚に切り替えてください。
上記は一般的な傾向です。接岸の時期は年によって、また海岸によって差があります。釣行前に釣具店や釣果情報で確認してください。
おすすめタックル
スピニングタックル
- ロッド
- 8.6フィート Mクラス
- リール
- 3000番〜4000番クラスのHG、XG
- ライン
- ナイロン12ポンド
専用の投げ竿でなくても構いません。この長さと硬さがあれば、アジのサビキ釣りにも流用できます。海釣りの入門用としては、この1本がもっとも汎用性が高い組み合わせです。
あわせて必要なもの
- 天秤オモリとキス用仕掛け——完成品が売っています
- 仕掛けの予備——絡むと戻せません。3セットは持つ
- クーラーボックスと氷——夏場は必須
- 日除け(帽子・テント)——砂浜に日陰はありません
- 飲み物——多めに。子どもの分は特に
子どもと行くときの注意
いちばんの危険は、魚ではなく夏の砂浜そのものです。
日陰がなく、照り返しがあり、風が通れば体感より早く消耗します。熱中症の条件が揃っています。日除けと水分を用意し、時間を区切ってください。
キャスト時の安全確認
砂浜には海水浴客や散歩の人がいます。投げる前に必ず後方と左右を確認してください。オモリが当たれば大怪我になります。子どもに投げさせる場合は、周囲に誰もいない状況でのみにしてください。
裸足で歩かせない
砂の中にガラス片や貝殻が埋まっていることがあります。また、真夏の砂は火傷するほど熱くなります。サンダルではなく、脱げない靴を履かせてください。
よくある失敗と対処
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エサが長すぎて、掛からない。
キスは口が小さい魚です。イソメを2〜3センチメートルに切ってください。「アタリはあるのに乗らない」の大半はこれが原因です。
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巻き続けて、止めない。
止めている間にアタリが出る魚です。数回巻いて止める、を繰り返してください。ひたすら巻くだけでは反応が半減します。
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アタリで大きく合わせて、バラす。
合わせは不要です。振動が出てもそのまま巻き続ければ掛かります。慌てて竿を煽ると外れます。
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遠投にこだわりすぎる。
夏は波打ち際近くにも寄っています。飛距離より、止めながら丁寧に引くことのほうが効きます。
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日中に行って、子どもが体調を崩す。
砂浜に日陰はありません。朝の数時間に絞り、日除けと飲み物を必ず用意してください。釣果より優先すべき事項です。
主に釣れる場所
このほか、大洗周辺の海岸、鹿嶋周辺の海岸でも狙えます。
本来キスは砂浜からの投げ釣りが基本ですが、鹿島港魚釣園でも狙えます。柵があり、トイレも売店もあるため、砂浜より子ども連れの負担が小さいのが利点です。
砂浜で本格的に狙う場合は、海水浴シーズンと重なる点に注意してください。遊泳区域では釣りができません。時期と場所をずらす必要があります。